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第27回 吉祥寺薪能
平成24年10月12日(木)
午後4時30分 開場 午後5時15分 開演
  吉祥寺薪能

  

●ところ 吉祥寺 月窓寺境内 (雨天の場合は武蔵野市民文化会館で蝋燭能)

●雨天の際は、武蔵野市民文化会館にて行います。
●演者は都合により断りなく変更することがあります。
●開演中の写真撮影は一切禁止いたします。 
●会場には、駐車場がありませんので、お車でのご来場はご遠慮ください。
●寺院境内につき、誘導員の指示によってご入場、ご退場下さい。その他、係員の指示に従って頂きます。

雨天の場合の会場案内 ⇒

   


 
JP(ジェイピィー)です。 宜しくお願いいたします。
吉祥寺の本

-番 組-


解 説  「能の表現、その美」 

横浜能楽堂副館長  中村雅之

 火入の儀

■素の魅力■

素嘘子 神 舞

大鼓 安福光雄 太鼓 徳田宗久
小鼓 鵜澤洋太郎 笛 一噌隆之


仕舞 岩 船 


       


  高橋 亘
  三川 淳雄
              地謡
                山内 崇生
                金森 秀祥
                佐野 登
                澤田 宏司

狂言 髭 櫓 夫 山本東次郎

         妻  山本泰太郎
         注進 山本凛太郎
         立衆 山本 則孝
          〃  山本 則秀
          〃 遠藤 博義
          〃 山本 則重

                   笛  一噌 隆之
                   小鼓 鵜澤洋太郎
                   大鼓 安福 光雄
                   太鼓 徳田 宗久
                   後見 山本 則俊
                       若松 隆


 - - - 〈休憩十五分〉 - - -


能 天 鼓  天鼓 宝生和英
            王伯 辰巳 満次郎
            臣下 森 常好
            官人 山本 則重
            後見 山内 崇生
                澤田宏司

            大鼓 安福 光雄
            小鼓 鵜澤 洋太郎
            笛   一噌 隆之

            地謡  辰巳和磨  佐野登

                 金森隆晋  三川淳雄
                 辰巳大二郎 金森秀祥
                 和久荘太郎 高橋亘

(終了予定 午後八時四五分頃)




素の魅力


能の舞に、男性の神が速いテンポで颯爽と舞う
曲を「神舞」とい う。『高砂』や『養老』などに見られ、清々しく気品高い舞いである。
この「神舞」を、離子だけで演奏するのが素離子。 シテが紋付袴に て地謡を擁し舞うのが仕舞。
東日本大震災被災地復興への祈りと犠 牲者への鎮魂に、素の魅力、素灘子と仕舞を演じる。



狂言髭櫓(ひげやぐら)

大髭だけが自慢で日頃うだつのあがらない夫、今日はその大髭を 買われて大嘗会(だいじょうえ)の犀の鉾(さいのほこ。自然木で作った鉾)
の役に選ばれた。喜び勇んでこのことを妻に報告し、きらびやかな 衣装をこしらえてくれと頼むが、日々の食事にも事欠く暮らしに耐 えている妻からみれば、そんな物入りな役は迷惑な事としか思えず、 「そんなむさ苦しい髭があるからいけない、いっそ切ってしまいな さい」と応える。腹を立てた夫に散々に殴りつけられ、怒り心頭に 発した妻は、近所の女たちを集め、薙刀・槍・熊手などをもって報 復に押し寄せる。このことを伝え聞いた夫は、自慢の髭の周りに櫓 を吊るし、髭を守ろうとするが… 本曲は大曲とされ、出演者が多く、囎子の演奏があることも要因 し、数多くある薪能の中でも稀有な上演となる。


能天鼓(てんこ)

後漢の時代、王伯(おうはく)と王母(おうぼ)という夫婦がいた。
王母は、天から鼓が降り下って胎内に宿る夢を見た後、男子を産む。
その子は天鼓と名づけられ、ある日、天から鼓が降りてくる。その 鼓を天鼓が打つと、音は美しく、人々に感動を与えた。 噂を伝え聞いた帝は、鼓を献上するよう命じるが、手放すのが惜 しい天鼓は山奥へと逃げ隠れ、ついに見つかり、命を奪われ、呂水 (うすい)という河に沈められる。帝は天の鼓を手に入れたが、誰が 打っても音が鳴らない。鼓が天鼓との別れを惜しんでいるのだと考 えた帝は、臣下(ワキ)に命じて天鼓の父・王伯(前シテ)を宮中に呼 びつけ、父が亡き息子を思い涙ながらに鼓を打つと、美しい音が鳴 り出す。心を打たれ、哀れに思った帝は、王伯には褒美を与え、天 鼓の為には弔いの管弦講(かげんこう。楽器を用いた葬儀)を行うと、供養 に感謝した天鼓の霊(後シテ)が現れ、天の鼓との再会を喜びながら 打ち、舞を舞い、やがて夜明けとともに姿を消す。 本曲は能には珍しく、舞踊性を加味した音楽劇的な要素を多分に 含み、悲愴感だけが漂うのではなく、華やかさもある一曲といえる。


プロデュース旅川雅治